離婚と慰謝料

慰謝料

「慰謝料」とは、離婚や個々の配偶者の有責行為(不倫、暴力、モラハラ等)によって被る精神的苦痛に対して支払われる金銭のことです。

要するに、離婚に至ったことや配偶者の有責行為によって、悲しい思いをした場合に、その悲しみを償うために支払われるのが慰謝料です。

慰謝料は、離婚に至る原因を作った有責配偶者に対して請求出来るものですので、「性格の不一致」や「価値観の相違」といった、どちらかが一方的に悪いわけではない場合は、慰謝料の請求は出来ません。

 慰謝料の判断要素

慰謝料の判断要素としては、

① 配偶者の有責な行為の内容(不倫、暴力、モラハラ等)及びその継続期間

② 婚姻期間

③ 相手方の資力や職業

④ 請求者の資力や職業

など、様々な事情を総合的に考慮して判断されます。

裁判上の相場

裁判における離婚慰謝料の相場は、50万円~500万円くらいに落ち着くことが多いといわれておりますが、最も多いのは200万円から300万円の間かと思われます。

しかし、慰謝料には厳密な意味での相場があるわけではありませんので、当事者間の資力や相手方の社会的地位などによっても変動しますので、注意が必要です。

不倫と慰謝料

不倫・不貞行為に伴う慰謝料に関するご相談はとても多い印象です。

婚姻期間中は、配偶者以外と性的な関係を持つことは、違法な不法行為(民法709条)になります。

不貞行為の慰謝料の相場については、一般には、離婚しない場合は50万円から150万円程度、離婚に至った場合には、150万円から300万円程度とされることが多いです。

しかし、前記の通り、慰謝料には厳密な意味での相場があるわけではありませんので、当事者間の資力や相手方の社会的地位などによっても変動しますので、注意が必要です。

不貞行為・不倫と慰謝料については、以下を参照してください。

不貞慰謝料、示談と訴訟

不貞慰謝料、不貞行為の相手方の責任

不倫、不貞行為と慰謝料(相場)

 不倫と慰謝料(良くある反論、抗弁)

不倫、不貞行為の慰謝料と並んで必ずといって良い程、問題になるのが、婚姻関係破綻の抗弁です。

これは、不倫、不貞行為開始時において、既に夫婦生活が破綻していたから、慰謝料の請求には応じられないという反論です。

一般論として、この反論が認められることは、判例上も明確になっております。

ただ、「婚姻関係の破綻」の判断は、別居の態様やその期間など、複雑な事情を総合的に考慮して決せられるものですので、その判断は容易ではありません。

ですので、不倫相手に慰謝料の請求をお考えの方は、法律の専門家である弁護士に依頼することをおすすめします。

 

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